叱咤激励せずに寄り添ってほしい。

2015/06/03

叱咤激励せずに寄り添ってほしい。 そうおっしゃるNさん

だるくて歩くのも大変。
お友達のTさんに紹介されて来院されました。
過去に二度も首の頸椎の問題で手術をされました。

腕が24時間痺れお尻が歩き始めた時に痛い。
体のバランスが取れない。

そんなNさんが誕生日検診で訪れた病院で血圧を測ったところ
高血圧を指摘され、緊急入院を勧めらたそうです。

それまでにもかかりつけ医のところで血圧のチェックをされ、
薬をもらってはいたものの緊急入院とは、大変驚いた
そうですがその日のうちに入院されました。

入院期間は約一週間。
降圧剤を飲んで退院した時には入院前より体に力が
入らずフラフラしそれ以来ずっと続く体調不良。

お歳は85歳
見た目はとてもモダンで上品な雰囲気の方なので、
もっとお若い印象を持ちます。

若いころから考え方は前向きで頑張り屋のほうだった。

その私が

歩けないんです。だるいんです。寝ているのが一番なんです。
食べるのは好きなので太ってしまうのです。

歳をとるとこうなってしまうのね。

娘からはもっと頑張ろうとおこられ、
私も若かった時老いた母を励まそうと、一生懸命
叱咤激励をしてきた。自分が年老いて初めて分かった。
向こうに行ったら母にそのことを手をついて謝らなくては・・・

今こうして自分が年を取り動かなくてはいけないことを
重々知っているのに体がどうしてもついてこない。

そんなもどかしさ辛さを訴えられました。

叱咤激励しないで寄り添ってほしい。

確かに自分が年を取らないとわからいことは多い。
以前、お年寄りの体験をしたことがあります。
それは砂袋を腕や足や体につけるものでした。
本当にこんなに重いのですか?
驚きでした。

あの状態で運動しましょう!鍛えましょう!
それはそれは大変です。

当院の患者さんで他にも寝たきりになるのか
ならないかの瀬戸際にいらっしゃる方がいます。

ご家族が熱心で兄弟で一生懸命車に乗せ
通っていらっしゃいます。

ご本人は治療を受けると楽になる、でも
運動するのは大変。

ご家族は動かなくてはダメ、甘えさせてはダメになる。
以前はとても姿勢のいい母だったんですよ。

と一生懸命。

ここでも叱咤激励せずに寄り添ってなのでしょう?

良く親子げんかになるのだそうです。

お二人とも治療の後、寝たままでできる運動をこれならできるかも、と
体の調子を見ながらされています。

高齢者の方がお医者さん『もうお歳だからね』と
言われたと言って不満そうに来院される方もいらっしゃいます。

『叱咤激励せずにに寄り添って』高齢者に限らず一人一人の
患者さんの対応の仕方を考えさせられます。

寝たきりにならないように!それをテーマに
心のケアも考えながらの治療にいそしみます。