中国の砂漠に木を植えた人

2014/08/23

ある日患者さんの一人が

『今度中国に行くのでちょっとお休みね。』

中国の砂漠に木を植える事業に参加されているそうです。

そういえば中国で10数年前に砂漠に植林をしている

という日本人を紹介する番組を見たことがある。

『あ~、それそれ!』

『今度、日本でもテレビ番組でも放映されるよ。』

その日本人の名は遠山正瑛。

1906年12月14日 ~2004年2月27日

日本の農学者・園芸学者。鳥取大学名誉教授

1935年に中国に留学経験があり、

その頃から中国の砂漠の緑化の夢を持つ。

その夢の実現化に乗り出したのが鳥取大学の退職後、

すでに73歳を超えていたという。

84歳でNGO日本砂漠緑化実践協会を設立。

日本に帰国すると砂漠緑化のために精力的に募金活動を行う。

やがて日本人ボランティア「緑の協力隊」ができ、

10年間で335チーム・7000人余りが日本から恩格貝に赴き、

中日友好のシンボルとなる樹木を平成13年までに約300万株を植えた。

埋まっている部分がすべて根っこになる砂漠に適したポプラの木を、

スコップがすっぽり入るくらいの深さの穴を掘り、その穴に日本のおむつの

吸水性の高い素材を入れ水を加え、そこにポプラを植えていく

一本一本地道な作業を繰り返す。

緑化が進むと砂漠だったところでジャガイモ、トウモロコシ、トマト、スイカ、

などの作物が収穫できるようになり、水と森のオアシスを求め人が集まり

観光地となり奇跡の砂漠の村となった。

村人の人口はこの20年間に定住者1700人、季節労働者の人々も

増えて500人を越え、砂漠が生活の場となった。

遠山正瑛氏の口癖

「物事はやってみなけりゃ分からん、やらずに考えたって駄目」

「やれば、出来る。やらなきゃ、出来ない。

続けさえすれば、成功だ。やめた時が、失敗だ。」

「あせらず、あきらめず、これが大事。」

「目標の無い人生は、闇です。ただ、生きているだけだ。」

「人間が沙漠化したのだから、人間が緑化する。人間は沙漠に勝てる。

だが、自然には勝てない。だから人間は、自然に対する畏敬の念と

感謝の心で謙虚に行動しなければいけない。」

「中日友好は口先だけではなく、実際に行動しなければならない」

中国で生前に銅像を建てられたのは、かの有名な毛沢東と

遠山正瑛の二人だけだと言う。

2003年、アジアのノーベル賞と言われるマグサイサイ賞を受賞

2004年2月27日、遠山正瑛 永眠

「緑なくしては人間生活できない。知恵のある人 知恵を出す。

物のある人 物を出す。金ある人 金を出す。命出す人 命出す。

4つが組んで頑張れば世界の砂漠は緑化する。これが私の信念」

 

今も遠山が立ち上げた沙漠緑化実践協会は植林を続けている

沙漠緑化実践協会 恩格貝事務所長:間瀬弘樹は、

日本からのボランティアの受入や指導などを行っている

海外で活躍した素晴らしい日本人の一人です。